寺子屋日誌 その八：努力の天才 〜その1〜

寺子屋日誌：その二で紹介した寺子のその後の話です。

※まだ読んでいない方はこちらからどうぞ。
寺子屋日誌：その二

伸び悩み

高校受験をするにあたって何回か模試を受けた。

その結果は250点中170点前後と今ひとつ伸び悩みを感じていた。

通過点としている高校受験とはいえ、結果だけ見ると勉強時間が成績に比例しているとは思えなかった。
私を含め、他の師匠も多少焦りを感じていたのは事実だった。

親子の”スケール”

しかし、そんな私たちをよそに、その寺子の母は全く気にする様子はなかった。
寺子である息子を信頼していたからだろう。

さらに、当の本人は母以上に全く気にしていない。
むしろできない問題を見つけて楽しんでいるかのようにも見えた。

なんか、親子揃って余裕だけど、大丈夫かな？

そして、私は気がついた。
この寺子の”スケール”を作り出した要因はこの母なのではないか？

2段目のギア

高校受験を終え、予想通り無事合格。

春休みの課題を範囲にしたテスト個表（327人中77位）を持ってきた寺子の顔は・・・

「上位2割程度なら想定内」と私が言った言葉に

「はい」

と、返事をしてくれたが、明らかに笑顔はなく真剣な面持ちで

「次、がんばります」

と言って、予習に取り掛かった。

寺子の2段目のギアが入った瞬間だった。

 

今日のひとことふたこと

・失敗や試練が次のギアを入れる要因にもなる。・・・こともある。